使用貸借契約の解約について

ネット上の法律相談を見ていると、使用貸借に関する相談をよく見かけます。無償の契約ですから、ごく例外的なものかと思いがちですが、親族間等の契約として、案外、この社会で重要な役割を果たしているのかも知れません。

 

多くの相談は、使用貸借契約の解約に関してなされています。

 

この点、返還時期の定めのない使用貸借は、(1)目的に従った使用・収益を終えたとき、(2)目的に従った使用・収益をするのに足る期間を経過したとき、に終了します(民法597条2項)。居住用建物の使用貸借の場合、通常は「居住の目的」があることになりますが、住み続けている限り上記(1)(2)に該当しないのかというと、通常はそのような解釈はされておらず、「どのような経緯・目的で居住させることにしたのか」を検討し、そのような意味での「目的」に照らして相当な期間を経過したとか、関係の変化によって「目的」が不相当になったような事情があれば、終了が認められます。

 

ただし、建物所有目的の土地の使用貸借の場合、使用貸借の終了を認めれば建物の収去を要することになり社会経済的な不利益が生じることも考慮されるためかと思いますが、「建物所有の目的」自体を「目的」と見て、建物の使用収益の必要がある限り終了しないと判断されることがあります(東地判S56.3.12判時1016号76頁)。そうなると、建物が滅失、朽廃等しないと容易に終了は認められないことになってしまいます。

 

当該事案の具体的な事情のもとで、解約が認められるか否かの判断は、容易ではないと思われます。使用貸借契約の解約の可否が問題となるような状況に遭遇された場合には弁護士に相談されることをお勧めします。