「号」とは何か

契約書に「第×条」とある中に2つ以上の文があって、算用数字で番号が振られているときに、その1文ずつは通常、「項」と呼ばれます。
しかし、契約書には「条」が無く、いきなり算用数字の「項」から始まっているものがあります。その項の中に2つ以上の文があって「(1)、(2)・・・」と番号が振られているときに、その1文ずつを「号」と呼んでいる契約書を目にすることがあります。たとえば「前号に規定する××」などという風に。

法律家としては、この用語には強い違和感を覚えます。というのは、法令で「号」は、事項を列挙する部分を指す語として用いられているからです。自己完結的な文を指して「号」と呼ぶことはありません。
したがって、「(1)、(2)・・・」の番号を振って書いた文を引用する必要が生じた場合、私なら、その1文を独立させて項にするか、又はそもそも算用数字で始めるのを止め、「条」から始めることにして「(1)、(2)」を「1、2」(すなわち「項」)に繰り上げるなどして対処します。

もっとも、チェックを依頼された契約書案で「(1)、(2)」の番号を振った文を「号」として引用していたとしても、訂正すべき点として指摘するかは迷うところです。契約書の書き方が法令で定められているわけではなく、明らかな誤りとは言えないからです。
ですが、法律の素人が書いた契約書として軽く見られることを避ける観点からは、なるべく避けた方が賢明と言えるかも知れません。